び**テ
軋みをあげて壊れていくリアルを描く3巻
ヒーロー登場として完成されていた一巻、そのスケールが正当進化しつつも最後に変化球を投げてきた二巻に続く三巻は、起・承・転・結の「転」に当たる部分であり、その醍醐味を存分に味わえる一本になっています。一クールアニメにしてはかなり早い段階で出会うラスボス、堂々と神様としてふるまい始めるアカネ、そして空の上で裕太が目撃したもの(このシーン、ビッグオー第二期のある場面を思い出しました)、と七話は正に後半の始まりを告げる、大胆な内容でした。それに次ぐ八話は、メカ改造された怪獣、学園祭の風景、満を持して登場したフルパワーグリッドマンなど、派手な見せ場を用意しつつも、その裏で「アカネへの信頼を完全に裏切られる六花」という繊細な物語も見所。そして、変化球中の変化球である九話は「自分を好きになるはずの者に、好かれようと必死になる」「前話で自分から裏切った六花から拒絶される」など、アカネをとことん追い詰められる容赦のなさが徹底しています。そんな中でも、友達のために、と我に返る内海の株が自分の中では相当上がりました。付属のCDの限定エピソードも9話がらみですが、この9.99……という話数が、「10話になれない」とも考えるとなかなか複雑な気持ちになりますね。そして特典のブックレットも本編やCDににまけないくらい充実の内容です。今回は特にスタッフインタビューに特化していますが、それ以外にも怪獣達の初期案が載っているのが嬉しいポイント。この巻にも収録された9話に登場するバジャックのモチーフなど、読んでいて「成程!」と思わせてくれる情報量が盛りだくさんですよ。多くの謎が明らかになり、倒すべき敵の姿も見えたこの作品の最後がどうなるか、大いに気になる三巻でした。
松**彦
満足
大変、満足しています。また、機会があったら利用したいと思います。
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1 day ago
1 week ago