Fujimi Model 1/700 Ship Next Series No.4 Japanese Navy Aircraft Carrier Akagi Color Coded Plastic Model Ship NX4

小さなパーツがやや多いですが、十分に楽しめます。近視でコンタクトを自宅では外しているのでピントが合うので良かったです。😊

私の誕生が1941年だったので記念として製作しました。

フジミスタンダードで良く出来た良いキットだと思います。

小さな部品もあり、やや作り辛い部分がある。起倒式アンテナが上手く入らない。私の技術不足もありますが！

無塗装、接着剤不要と初心者・児童向きのスナップキットの様で、実際は工作の難易度は低くはなくディテールも細かい。家で模型を作るとなると有機溶剤の匂いが家族や隣人宅に迷惑をかけるのではないかと躊躇することも多い。ならば有機溶剤フリーの本格的プラモデル開発を試みようとしたのがこのNEXTシリーズではないだろうか。塗装を不必要とするために4色の成型色を使っている(+艦載機で2色)。艦側面の濃いグレーは細かい梨地仕上げもあり、樹脂の遮光性も高い。プラの材質も加工性と強度がはめ込み式の組み立てに向いていてよく吟味されていると思う。1/700のスケールでは塗装の厚みで折角のモールドがダルくなることもあるので模型映えの観点からのこの無塗装のメリットはある。「無塗装＝模型的なヒエラルキーが低い」とはならないという次世代規格を目指しているのが感じられる。ただ艦底の赤はやや透けるので気になるなら内側を黒などで塗りつぶすのも有効だと思う。同様に飛行甲板も出来れば塗装したい。家のフローリングで例えると、安い塩ビ製(無塗装)と本木材(塗装)の差ぐらいは出てくると思う。飛行甲板の木製部分は一つのランナーに収まっているのでスプレーで一吹きするだけである。塗装するとＮＥＸＴシリーズのコンセプトに外れそうだが素材をどう料理するかは作成者の自由である。シールにより収納小型艇などにも色を付けられるようにしているがシール材質はアルミテープなので、ある意味塗装済みエッチングである、飛行甲板の白線と艦載機の日の丸はこのシールとデカールの両方が入っており、大盤振る舞いといっても良いかも知れない。飛行機模型もこれを見習ってキャノピーマスキングシールは当たり前にしてもらいたいものだ．全てはめ込み組み立てのため細かい部品の組み立てはつらいところがある。ピンセットで摘まんだ部品がカタパルト射出の艦載機の様に飛んでいく。紛失よりはましだろうと途中からピンセットの代わりにラジオペンチを使った。多少傷つくかも知れないが老眼にはわからない。はめ込むときの力もうまく加えられるのでおすすめだ。特に工作の難易度が高いのは支柱だろうか。スポンソン(支柱が支える棚板)と船体両方にはめ込むようになっているが５本全部を一挙に行う部分もあり寸法的にあっていないものもあってうまく組み上げられなかった。船体側ははめ込みとして、スポンソン下側は引っかかるくらいの緩さでも良かったのではないかと思う。とはいえ1/700で支柱をすべて再現する設計側の意欲は素晴らしい。むしろ敢えて船体構造の複雑(ぐちゃぐちゃ)な赤城に積極的にチャレンジしたようにも思える。実艦の解説では赤城の改装個所の多い船体構造の複雑さと欠点を遠慮なく指摘しているが同時にその欠点をよく理解し運用し艦を愛した乗組員のことも記しており、これは模型設計者たちの赤城への細かい形状へのうっぷんと愛情をそのまま反映しているのかもしれない。製品のコンセプトや意欲が素晴らしく出来もそれを表しているが、欠点としては・ランナーへの部品配置が組み立て工程に無頓着にバラバラで探すのに手間取る。・艦載機の数が９機と少ない。例えば真珠湾とかミッドウェイとかの作戦時に合わせた機種と機数を入れてくれればと思う。（プロペラ一体型のモールドはすごいがこの金型のへたりを考慮して少ないのか？）　総じて言うと、決して簡単に組みあがるものではないが新しい規格のプラモデルを開拓しようという設計者の意欲を感じとれる作品であり、それが製作者のモチベーションにもなるという「幸せプラモデル」である。価格も新規格の普及を狙った戦略価格つまりお値打ち感がある。　完成した模型を今は航空母艦フェチだといういとこ甥の小学２年生に誕生日プレゼントとして渡した。大事にしてくれる気はあってもはめ込み模型のもろさが子供のいじり倒しに耐えられるはずもなく、ハワイ開戦からミッドウェイまでの実艦の短い戦史同様にすぐに壊してしまうだろうが、赤城の「混沌なる美」が子供心に少しでも刺されば、おじさんとしては幸いである。